□ 帰化動物 □  
2004.5.15

外国から人為的に導入されたり、飼育しているものが脱出したり、 船や飛行機に紛れて運ばれ、定住した動物を「帰化動物」と呼んでいます。

帰化動物が日本の動物の生態系を変えている事は 皆さんもご存知だと思いますが、 日本の在来種を‘国内の本来生息していない場所’ に移す事によっても同様な弊害が生まれるのです。

その様な動物をひっくるめて『移入種』と呼びます。 これら、『移入種』は
・在来種圧迫
・遺伝子攪乱
・農業や水産業への被害
・病原菌や寄生虫の持ち込み
・植生の破壊
・電線の切断
・家屋への侵入
など、様々な問題を起こしています。

移入種動物
アライグマ 北アメリカ原産
トウモロコシなどの農産物、養魚や養鶏業への被害
競合動物のタヌキや餌となるカエルやヘビなど、在来種への影響。
ジャワマングース 南アジア原産
ハブ駆除目的で沖縄や奄美大島に放たれた。含有種の多い地域での移入で、アマミノクロウサギやヤンバルクイナ他、小動物への影響。
ミンク 北アメリカ原産
毛皮獣養殖所から逃げ出したものが北海道で野生化。 イタチとの競合、養魚場への被害。
タイワンリス 南アジア原産
台湾から持ち込またものが野生化。伊豆大島の公園から逃げ出したものもある。観光用にも放たれた。ツバキなどへの食害、ニホンリスへの影響。
タイワンザル 台湾固有種
伊豆大島で野生化。 ニホンザルとの交雑による遺伝子の攪乱。
アカゲザル 中国南部、インドに生息
ニホンザルとの交雑による遺伝子の攪乱。
タイワンジカ 台湾産のニホンジカの亜種
観光用に島などに放たれた。 ホンシュウジカとの交雑による遺伝子の攪乱。
ギンギツネ シベリア・アラスカに分布
毛皮獣養殖所から逃げ出した可能性がある。 キタキツネとの交雑による遺伝子の攪乱疑惑。
ヌートリア 南アメリカ原産
毛皮の養殖需要がなくなり放たれた。 農作物への被害。
マスクラット 北アメリカ原産
毛皮の養殖需要がなくなり放たれた。水田への影響の懸念。
キョン 台湾・中国原産
公園から逃げ出した。 自然植生や農作物への影響の懸念。


野生化した家畜
ウサギ 植生への影響、土壌流失
ヤギ 植生への影響、土砂の流失。これによって鳥類や昆虫名などで、絶滅種が出た。
ブタ・イノブタ 近親交配による小型化。植生への影響、アオウミガメの卵の食害、 ニホンイノシシとの交雑による遺伝子の攪乱。
イヌ 野生動物の捕食。
ネコ 野生動物の捕食。メグロやアカガシラカラスバトへの影響。
チョウセンシマリス エゾシマリスとの交雑による遺伝子の攪乱。
ナミハリネズミ 固有種との餌や住みかの競合。

今の野生動物の生態系を守ると共に、私達人間との共存を図るためにも 一人一人の心掛けが必要だと思います。



動物を可愛がるならば、最後まで責任をもって飼育する事。 ペットと言えど、気が荒い動物もたくさんいます。

見た目のかわいらしさに惑わされないでください。 飼いきれなくなって放棄されたペットは野生化して、 そこに住んでいた従来の野生動物の餌や住みかを奪ったり、 交雑して遺伝子に影響をもたらします。

狂暴化して、人間を襲う事もあります。 また、違法なルートで搬入しているペットも少なくありません。 需要があるから、そのような犯罪が起きているのです。

また、野生動物は愛玩動物ではないので 必要以上に近づかない事。 むやみに餌を与えたりすると、 動物達が本来いるべき場所でない所に居ついてしまったり、 人間に対する馴れ合いが生じ、危害を加えて来たり、 民家へ降りて来てしまったりします。

その動物にとって、「何が一番か」を良く考えて 「軽はずみな行動」が「動物に多大な影響を与える」という 事の重大さを認識していただけたら、と思います。



参考文献: Gakken 日本の哺乳類 より




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